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「洋書まつり」と「神保町ブックフェスティバル」報告

去る10月18日(金)19日(土)、東京古書会館で「洋書まつり」が、26日(土)27日(日)、神田神保町で「神保町ブックフェスティバル」が開催されました。



 

「洋書まつり」は、今回で57回目。東京古書組合のイベントに、日本洋書協会も数年前から参加させていただいています。古書店さんは今年は一社増えて、一誠堂書店、河野書店、水中書店、崇文荘書店、田村書店、書肆とけい草、西村洋書、三日月書店、羊頭書房(敬称略)の9社。日本洋書協会は昨年同様、極東書店、丸善雄松堂、三善、MHM、フォリオス、フランス図書の6社の参加となりました。


年に一度の洋書のバーゲンセールということで、初日の開場前には毎年長蛇の列ができており、今年も例外ではありませんでした。洋書ということで、メインは英語の書籍なのですが、それだけでなくフランス語、ドイツ語などのヨーロッパの言語のほか、中東、アジアの言語など、多様な洋書が出品されています。ジャンルも、専門書、語学書、アート・ヴィジュアル書、絵本、ペーパーバックなど多岐にわたります。

去年あたりからフランス語の書籍が増えたように思います。今年はさらにフランス語の書籍が充実し、ドイツ語の書籍も多く並びました。



毎年、古書組合の方々が運営をしてくださり、すてきなポスターを作ってくれます。今年もスタイリッシュなポスターを作ってくださいました。丸善丸の内店さん、紀伊国屋書店新宿南口店さん、三省堂書店小川町仮店舗さんなどのご協力で、ポスターを貼らせていただきました。もちろん、各書店さんの店舗などでもポスターでお知らせしました。

各書店さんがそれぞれにSNSなどでも宣伝していて、毎年の地道な活動が奏功してきたのか、今年は来場してくださる方が、以前にもまして多かったように思います。


運営に関しては、参加各社がレジ前の接客・会計を分担し、スリップをもとに売上集計をします。今年は去年よりも売上が上がりました。毎年来てくださるお客様のほかに、ポスターやSNSの告知などで「洋書まつり」を知って、来てくださった方が増えてきたのかなぁと勝手に想像しています。とくに、古書組合の各書店さんが、Xなどで事前に宣伝してくださり、当日の状況をつぶやいてくださっていて、若い世代の集客につながったのではないかと思います。感謝しかありません。


いつもながら、古書組合の出展各社のみなさまには、大変お世話になりました。毎年休憩時間の差し入れもをしてくださるのですが、今年は近くの人気ポルトガル菓子店「ドース イスピーガ」のお菓子で、個人的にはテンション上がりました。ありがとうございます。これからも協力して「洋書まつり」をさらに盛り上げていけたらと思っています。



 


「神保町ブックフェスティバル」は、26日(土)27日(日)、神田神保町のすずらん通り、さくら通り、三井ビルディング公開空地などで開催される、和書の出版社が中心となった「本のお祭り」です。

日本洋書協会からは、岩崎書店絵本の家事業部、MHM、フォリオス、三善、丸善雄松堂(敬称略)の5社が参加しました。


「洋書まつり」とちがって、こちらは戸外でのイベントで雨天中止なので、お天気が心配でしたが、2日間とも曇りで、ときおりパラリと小雨が降ることはありましたが、長くは続かず、雨が降るたびに透明のビニールシートを商品にかぶせて、なんとかのりきりました。



以前は、すずらん通りではなく、そこから横にのびる脇道という、やや地味なロケーションだったのですが、3年ぐらい前からメインのすずらん通りの、旧三省堂書店本店の裏側(現在建設工事中)あたりになりました。毎年同じ場所に出店していると、前年に来た方が今年も来てくれたりして、うれしい再会があったりします。


出版業界誌「新文化」電子版(2024年10月29日ニュースフラッシュ)の記事によりますと、


出版社など183社が、ワゴンで汚損本や雑貨など20~80%オフで販売した。近隣の飲食店などを合わせて計197台のワゴンが出展した。

とのことでした。


私も空き時間に見て回りましたが、早川書房さん、東京創元社さん、国書刊行会さんのワゴンは毎年盛況で、これは今年からだと思うのですが、ワゴンを見るために少し離れた場所に順番待ちの行列を作り、そこから順次案内するという方式にしたようです。国書刊行会さんは、私も見たかったのですが、何分ぐらい待つのかわからなかったので、あきらめました。かわりに、韓国文学の出版社クオンさんと、河出書房新社さんのワゴンを見てきました。


クオンさんのワゴンには、ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンさんの『菜食主義者』がありました。なんと一割引き。ハン・ガンさんは『少年が来る』『すべての、白いものたちの』『そっと静かに』を読んで、とても好きな作家さんですが、近いうちに最新刊『別れを告げない』を買おうかと思っているので、とりあえず保留。

河出書房新社のワゴンでは、温又柔(おん ゆうじゅう)さんの『空港時光』と閻連科(えん れんか)さんの『黒い豚の毛、白い豚の毛』とで迷い、悩んだ末に定価3,190円の半額という価格に負けて、閻連科さんを購入。

ほくほくしてクオンさんに戻ると『菜食主義者』はなんと売り切れ。なくなってみるとほしくなる。ああ、買っておけばよかった。。



絵本の家さんだけは、すずらん通りではなく、子どもの本の出版社がまとまって出店している三井ビルディング公開空地での販売です。

こちらは広場になっていて、親子連れやベビーカーを押した方などが多く、ゆったりした雰囲気です。子ども用の紙すき体験などのイベントも催されていて、和やかで楽しそうでした。


「神保町ブックフェスティバル」は今回が第32回目でした。コロナ禍で2回ほど中止となり、復活してから今年で3回目となりますが、年々客足が伸びているように感じます。


弊社だけの売上で見ると、去年よりも売上が伸びました。ほかの書店さんも盛況だったので、おそらくいい結果だったのではないかと思います。


こちらも毎年続けていって、実績を作っていきたいと思います。


                             (株式会社MHM 遠藤)





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