2022年10月21日、22日の2日間、東京古書会館にて洋書まつりが開催されました。今回で55回目です。日本洋書協会からは極東書店、フランス図書、丸善雄松堂、三善、MHMの5社にご参加いただきました。古書店は8店の参加で、売り場面積としては4分の3を古書店が占めることになりました。結果、全体の売り上げは例年の1.5倍、来客数もかなり多かったように思います。例年は初日の開場から昼頃までがピークで、二日目などは手持無沙汰になることもあったのですが、今年は二日目も常に会場は賑わっており、ゆっくりおやつを食べる暇もないようでした。
今回、これまで洋書まつりに来たことのなかった方にも来てもらいたいと思い、新しいポスターを作りました。また、古書店の参加店も新しい店が増えSNSなどを使った宣伝にも力を入れました。年に一度のことで予算がある訳でもないのでたいしたことはできないのですが、「洋書まつり絶対来たほうがいいよ」というのは自信をもって言えると思っていたので、それがある程度は伝わってよかったと思います。そして何より日本洋書協会からご参加のみなさまに多くのお客様をお呼び頂いたと思っています。古書店だけではどうしても偏ってしまう品揃えを、多様で華やかなものにして頂き、それに従いお客様も多様な方に来ていただけるようになりました。
洋書まつり、始まる前はたくさんの本に値札をペタペタ貼って、運んで、並べて、大変なのですが、年に一度のこの催しを楽しみに地方から来てくれる方もいて、開場前から列ができ、開場とともに熱気を持って本を選んでいるのを見ると、これからも本屋を続けていく勇気をもらいます。55年前の洋書まつりはどんなだったでしょう。案外やり方はそんなに変わっていないのではないかとも思います。本の値札を切り取って、みんなで値札を数えて。このやり方がいつまで続けられるのかと思うこともありますが、この他にやりようがないという気もしますし、これがいいのだと言いたい気持ちもあります。本を売ることに関わる明るい話をあまり聞かなくなってしまいましたが、人であふれる洋書まつりの開場を見渡すと、洋書を扱う本屋に明るい未来を見たくなります。洋書まつりというこの多様で他にはない催しが、これからもお客様にとって、参加店にとって豊かなものであればいいと思います。今後とも日本洋書協会の皆さまには知恵をお貸しいただき、洋書まつりを一緒につくっていければうれしいです。
(三日月書店 山崎講平)
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